第8回 メール1通からでもわかること(2)

さっそくヘッダーの見方を紹介することにします。
怪しいメールを1通だけ右クリックして[プロパティ]を選択します。
上のほうにある[詳細]をクリックします。
そうすると、英文で色々なことが書いてあると思いますが、実はそれがヘッダーと呼ばれるものなのです。

図8−1

ヘッダーがどこにあるかがわかったところで、ここからは迷惑メールを見分けるための代表的な英文をあげておきたいと思います。下記の表に参考例をあげてみました。

Received Date From To Reply-To Subject
Content-Type X-Maile MIME-Version 英文を読むのが苦手な人のために…

英文の上のほうを見ると「Received」というのが複数あります。1つの時もあり、3つや4つの時もあります。
これは何かと言うと、メールがどの経路をたどって自分のところへ届いたのかを表しています。
しかし最後の「Received」の英文以外は全てあてになりません。
難しい事は省きますが、なぜ最後の「Received」の英文だけが重要かと言いますと、それが「送信者のプロバイダを特定するものになるから」なのです。
何か被害を負った時は、送信者のプロバイダへ連絡してください。メールアドレスも送信者側からいくらでも偽造できるので、あてにはなりません。

メール送信者のプロバイダの特定の方法は難しくありません。
「Received」の文末にある (XXX.XXX.XXX.XXX)を見ればいいのです。
XXXの部分には1桁から3桁の数字が入ります。
インターネット同様、メールにもデータを送る場所を指定するためのアドレス(住所)が必要なのです。
専門用語で「IPアドレス」と呼ばれるのですが、数字だけ見ていてもどこから送られてきているのかわかりません。
しかし、送信者を特定するための住所録的な役割をしているところがあります。

プロバイダ特定を簡単にしてくれるサイトで、IPドメインSEARCHというところがあります。
「IP or ドメイン」と書いてあるところに「Received」の文末にある (XXX.XXX.XXX.XXX)を入力し、Enterキーまた「IPドメインSEARCH」を押してみてください。
しばらくすると、結果が表示されます。そこには、プロバイダの管理者の名前や住所、電話番号、連絡用メールアドレスが書いてあるはずです。
(もちろん個人情報保護のために例外もありますが。)
「whoisサーバ」というところ問い合わせて調べているのです。他にも代理で調べてくれるところもありますし、Yahoo!のカテゴリにもいくつか登録されています。

メールのヘッダーの英文に戻ります。
「Date」とはメールの送信日時のことです。
受信日時と送信者日時はかならずしも一致するとは限りませんが、海外のプロバイダから迷惑メールが送られてくるとすれば、少なくとも若干のずれがあると思います。
日本のプロバイダでも相当違うこともありますが、メールをパッと見た時の一応の1つの目安になると思います。

「From」は送信者の名前やメールアドレスが書いてある部分ですが、前述のとおり、偽装はいくらでも可能ですので、迷惑メールを相手に送信者情報はあてにする事ができません。
昨年はYahoo!のメールアドレスを使用しているかのように見せて迷惑メールを送るという悪質なものもはやりました。

「To」はメール画面で言う「宛先」に当たる部分です。

「Reply-To」は返信してもらいたいメールアドレスが指定してあります。大概の迷惑メールの場合、「From」と同じく絶対にありえないメールアドレスを指定してくることがあります。
さらに悪質なものでは、「このメールを受信したくない方は返信してください」とありますが、絶対とは言いがたいですが、返信はしない方が安全です。
返信をしてしまえば、あなたのIPアドレスやプロバイダ名を「自分から教える」という自爆行為にあたります。
くれぐれも相手の挑発にはのらないよう、気を付けてください。(携帯電話のメールでも同じ事が言えます。)

「Subject」とはメールの件名にあたる部分となります。
ここまででお気づきの方は多いと思いますが、件名が日本語の場合、文字の最初に「=?iso-2022-jp?…」と文字が続いていると思います。これは「日本語のタイトルなのだ」という文字コード(エンコード)を指定しているのです。

「Content-Type」とはメールの内容がHTML形式かテキスト形式(ひな形)かを区別する部分になります。
ここが「text/plain」となっていればテキスト形式のメールです。他は全てHTMLだと考えて構わないと思います。
「テキスト形式だと思って開いたらウイルスに感染した」なんてことがないよう、ちゃんと添付ファイルの有無も確認してください。

「X-Maile」では、相手のメールソフトの種類を表しています。相手がテキスト形式のメールしか見れないのにHTML形式(ひな形)でメールを送ってもしょうがないですよね。一応の判断材料の1つにはなります。

「MIME-Version」これはメールが何の規則(標準)で作られているかを表しています。1.0や2.0など、添付ファイルやHTML形式(ひな形)を送るとき、実は大きな役割を果たしています。Microsoft社製のソフト同士とかなら大丈夫ですけど、OSが違ったり、メールソフトが違った時には添付ファイルが開けないなどの障害が起きたりすることがあります。
会社で特別なメールソフトを使ってない限り、個人ユーザー同士では全く気にする事はありません。

パソコンから携帯電話宛てにメールを送ると、時々拒否されて英文のメッセージで返ってくる事があると思います。これは、携帯電話会社がメールのヘッダーを自動的に読み取り、迷惑メールかどうなのか判断をしているのです。連続で何通も送ったりするときでも拒否されることがあります。携帯電話でメールしている人が嫌でメールを拒否しているわけではないのでご注意ください。
(実際に拒否されている人もいるとは思いますけど…。)
あとは10回送っても駄目な時は、諦めてください。携帯電話のほうでパソコンメール拒否が設定してあるか、メールアドレスが間違っているのでしょう。

ヘッダーを読むのが苦手だと言う方には朗報があります。ヘッダーをコピーして貼り付けるだけですべて解析してくれるサイトがあります。迷惑メールについての情報も幅広く提供しているので、もし本当に困った時は立ち寄ってみてください。
ここにリンクがあります。